マジックを見せるためのポイント(第2回)

マジックを見せる──つまり、不思議を観客に届ける方法。
これは、時代が変わっても根っこの考え方は変わりません。

よく言いますよね、「マジックはプレゼンテーションと一緒だ」って。
その通り、マジシャンにとって大事なのはどう魅せるか。
タネよりも見せ方。ここが決まれば、あなたのマジックは何倍も輝きます。

そこで私、昼から飲みはるが、マジックを見せる上で欠かせない5つのポイントを語ります。
これを押さえたら、マジックがちゃんとウマい人のマジックに見えるようになりますよ。

お約束します。
これを読んだあと、あなたのマジックの質は確実に上がります。
(全5回でお届けします)

取材・文:昼から飲みはる 写真:O-DAN

今回のポイントは「声」です。そう、声の聞こえやすさのこと。

これ、演技以前の当たり前かもしれませんが、やってみるとけっこう難しい。
声が聞こえなきゃ話にならないし、聞き取りにくい声だと観客がイラッとしちゃうこともあるんです。

マジックやってる人はよくあると思いますけど、技に集中しすぎてシーンと黙り込んだり、声が小さくなったりしがち。

でもそれだと、観客に聞き返されたり、見てほしいところが伝わらなかったり、
最悪、観客が選んだカードを忘れちゃったり…なんてことも。

だから、セリフをはっきり宣言したり、起こることを説明するときの声はめちゃくちゃ大事。
ただし、怒鳴ったり叫んだりするのは絶対ダメ。

声はちゃんと意識すれば、ちゃんと「伝えたい相手」に届くもの。
だから、1回目に話した「視線」も合わせて、
一人ひとりにしっかり声を届けることを心がけてください。

声は前に届ける

観客って、ほとんどの場合は前にいます。
…まあ、日本のテレビでよくある「種明かし系」の見破ってやろうって人が、後ろの方に陣取ってる場合は別ですけど。

ここで言う「声を前に届ける」っていうのは、最前列の人だけじゃなくて、一番後ろでこっちに興味を持って見てくれている人にも、ちゃんと届くようにってこと。

ずっと意識し続ける必要はないですが、時々は後ろの観客にも声を飛ばしてあげましょう。

マイクを使って演技する場合は、声に抑揚をつけるといいです。
マイクって、普通に喋ると声が冷たく聞こえがちなので、普段よりちょっと抑揚を強めると、聞こえ方がぐっと良くなります。

声が聞こえるかどうかって、会場の雰囲気に直結します。
もし観客がセリフを理解できなかったり聞こえなかった場合、隣の人に「今なんて?」と聞きます。
すると、その人はちょっと居心地が悪くなったり、不機嫌になったりする。
これを何度も繰り返すと、もうマジックどころじゃなくなって、演技への興味も失われていく…簡単に想像できますよね。

音量・抑揚

ステージやサロンでもそうですが、特にクロースアップで気をつけてほしいのが――セリフが単調にならないこと。

単調なセリフって、観客を飽きさせます。長く見てもらうのがつらくなるんです。

想像してみてください。
地域の公民館で、おじいちゃんマジシャンがマジックを披露しています。
声はぼそぼそ、何を言ってるのかよく聞こえない。しかも例え話が古すぎて笑えない。

…そんな状態で、たとえ演技がめちゃくちゃ上手くても「もっと見たい!ずっと見ていたい!」と思う人、いますか?
(私はもちろん見ますけどね。)

さて、話を戻しましょう。
抑揚をつけるには、まず場面ごとに声や話し方を変える意識を持つこと。
すると自然と声にリズムがついていきます。

クライマックス直前なら、あえて声を落として観客の集中を高める――そんな演出も効果的です。

もちろん、演技中に感情を込めたり、突然大きな声を出す場面もあるでしょう。
そこはあなたのキャラクター次第です。

一度、鏡の前で自分を見て、笑顔やジェスチャーを練習してみてください。
「こういうキャラでやったらウケるかも?」というヒントが見つかるかもしれません。
(映画『ジョーカー』の出番直前みたいな、とびきりのスマイルで。)

参考になるもの

発声や声色の参考って、意外とあちこちに転がっています。
例えば、テレビドラマの俳優さんや、舞台役者さん。
(あの「床がキンキンに冷えてやがるぜ!」みたいなセリフ回しも、意外と参考になります。)

YouTubeを探せば、発声や表現の動画なんて山ほど出てきます。
発声の仕方は、あなたのキャラクターそのものに直結します。
マジックでの自分のキャラ作りにも、ぜひ役立ててください。

そして、声だけじゃなく話の内容にも注目です。
たとえば――いつ、どこで、誰が、何を、どうした。
これが整理されていないと、観客は置いてけぼりになります。

特に大事なのは、
「これから何をするのか」
「これから何が起こるのか」
――この2つを、シンプルな言葉で伝えること。

観客に予告を与えることで、驚きや期待の準備が整います。
これをスマートに、わかりやすく伝える…それこそが、マジシャンに求められるスキルかもしれません。

これ、文章にすると当たり前なんですが、実際の演技になると意外と抜けやすいポイントなんですよね。

いかがだったでしょうか。
今回のテーマは、マジシャンの武器――「声」。

マジックの内容を伝えるときは、シンプルに、わかりやすく。
そして、その練り上げた言葉を、しっかり発声して届けること。

それだけで、あなたのマジックは一段階も二段階も上がります。
同じ技法でも「うまい人」に見える…これが声の力です。

それでは、また第3回でお会いしましょう!

第3回