メンタリズム――それは単なる手品ではない。
見えない“心”の動きを操り、観客の思考を読み、未来を予測し、まるで魔法のように人の心を自在に操る、究極のエンターテインメントだ。
テレビや舞台で目にするあの神秘的なパフォーマンス、その裏には数々の秘密が隠されている。
ここでは、その「10の秘密のテクニック」を、具体的な方法ではなく、イメージとして伝えよう。
メンタリズムの巨匠 マクス・メイブンが解説します。
取材・文:マクス・メイブン(P&M所属) 編集・写真:PTG(P&M所属)
メンタリズムのテクニックとは
メンタリズムにおける10の秘密
01. フォース(The Force)
「自由に選んでください」と言いながら、実は選ばせたいものを選ばせる心理の魔術。
例えば、ある有名なメンタリストはカフェで客に「好きなカードを選んでください」と言いながら、実際は一枚のカードに誘導していた。結果、そのカードを言い当てる瞬間、周囲の客が息を飲んだ。
練習法: まずは家族や友人を相手に、複数のフォースを試してみよう。自然な言葉遣いと動きを磨くことがカギだ。
02. ピーク(The Peek)
観客が書いた文字や数字をこっそり覗き見る技術。
例えば、封筒の中に入れた紙を一瞬だけチラリと覗き、メモの内容を完璧に言い当てる。
練習法: 鏡やスマホのカメラを使い、自分の動きを撮影し、覗き見の動作が不自然にならないかチェックしよう。
03. コールドリーディング(Cold Reading)
心理学の達人は、観客の服装、話し方、表情、動作から、まるで心の中を覗き込むように情報を読み取る。
例えば、初対面の人に「あなたは最近、新しい挑戦にワクワクしていませんか?」と言い当て、まるで透視したかのような驚きを与える。
練習法: 街中で人の話をよく聞き、観察力を磨くこと。SNSの書き込みや写真からもヒントを得るといい。
04. 記憶と頭の計算(Memory and Mental Calculation)
メンタリストは一瞬で膨大な情報を記憶し、複雑な計算を即座にこなす能力で観客を驚かせる。
ジョシュア・フォアの『記憶力を強化する驚異の技術』は必読書だ。
練習法: 毎日、数字や言葉のリストを覚える練習をしよう。記憶の宮殿や連想法などのテクニックも併せて使うと効果的。
05. デュアルリアリティ(Dual Reality)
06. ミスディレクション(Misdirection)
観客の注意を操作し、重要な動きを隠す。
例えば、話の盛り上げで観客の目線をそらし、その間にカードの入れ替えを完璧に行う。
練習法: 鏡の前で演技し、どこに目線を誘導しているか確認しよう。プロのマジシャンの映像を研究するのも有効。
07. 提示(Suggestion)
08. エクイボケーション(Equivocation)
言葉のトリックで自由な選択に見せかけ、実はどの選択でも結果が同じ。
例えば、2つのカードのうちどちらを選んでも、そのカードを手元に残すように誘導する。
実例: 観客の「左」を選んでも「右」を選んでも、最終的にマジシャンの思い通りになる。
練習法: 友人と役割を決めて、どちらが言葉で誘導できるかゲーム感覚で練習。
09. 秘密の協力者(Secret Accomplice)
舞台裏や観客の中にいる“仲間”。
たとえば、突然選ばれたボランティアが実は協力者で、完璧なリアクションを演じてくれる。
実例: テレビ番組でよく使われ、視聴者は気づかないが効果は絶大。
練習法: 身近な友人に協力を頼み、舞台演出を何度も練習。
10. 事前の仕込み作業(Pre-show Work)
ショーの前に観客と会話をして情報を収集。
例えば、話しながら好きな色や趣味を聞き出し、その情報をショーで活かす。
実例: あるメンタリストは、控室で軽く話した内容をショー中にズバリ当てて観客を沸かせた。
練習法: 実際の場で話し方のテンポや質問の仕方を工夫し、自然に情報を引き出す訓練。
まとめ:心の迷宮を解き明かす鍵
メンタリズムの極意は、技術の積み重ねと人間心理への深い洞察にある。
単に“当てる”のではなく、“魅せる”ことに全神経を集中させよ。
まずはこの10のテクニックを意識しながら、日々の練習に取り組もう。
家族や友人を相手に小さな実験を繰り返すこと。
鏡の前で動作をチェックすること。
自分の話し方や目線の使い方を録画して見直すこと。
これらの積み重ねが、あなたを一流のメンタリストへと導く。
ぜひ『13 Steps to Mentalism』(Tony Corinda)や
『Practical Mental Magic』(Theo Annemann)
で理論と実践を磨き、日常に隠された“心の謎”を解き明かしてほしい。
目の前の観客の心を開き、その奥深くまで旅をする。
それがメンタリズムの醍醐味だ。
さあ、あなたの“魔法”を始めよう。


